狂言は能と併せて能楽と呼ばれる、関係の深い芸能です。二卵性の双子だというたとえも良く使われます。つまり、同じ親から生まれて一緒に育ち、今でも同じ舞台を使って演じられていますが、見た目はあまり似ていないという意味です。
能が源平合戦などで活躍した武士や『源氏物語』などの古典文学の世界を題材とし、奥深い美しさを表現しているのに対し、狂言ではのんきな大名や茶目っ気のある召使い・太郎冠者、いんちきな山伏に商人、さらに動物までが登場し、毎日の生活の中で起こる身近な様々な出来事を題材としています。
狂言の中心は笑いです。その笑いは幅広く「笑う門には福来る」という言葉に見られる祝言の笑いから、社会の矛盾への風刺などの要素までが見られ、狂言への親しみの元となっています。しかし狂言の笑いは、ただゲラゲラ大笑いする悪ふざけだけではなく、長い時代を経て上品な深みを持った笑いとなっています。
狂言は600年続いた伝統芸能ですから、いろいろと舞台上の約束事も存在します。しかしまずは舞台を見て何かを感じていただくのが狂言を楽しむ一番早い方法だと思いますので、気軽に楽しんで下さい。
<大阪との関わり>
今の大阪の街を作った豊臣秀吉はたいそう能を好みましたが、狂言の稽古も行ったらしく、文禄2年(1593)に後陽成天皇の御前で、徳川家康・前田利家とともに『耳引』(現在の『口真似』とも『居杭』ともいわれます)という狂言を演じた記録があります。
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